
英国規格協会、デジタル成熟度フレームワークのためのPASを発行
2024/02/29
2024年2月20日 、英国規格協会(BSI)は、世界中の政府機関がより高いレベルのデジタル成熟度を持ち、社会全体に効率的にサービスを提供できるようPAS 2009:2024(政府組織のデジタル成熟度-ガイド)を発表した。
PAS 2009:2024
政府機関のデジタル成熟度-ガイド
Digital maturity for government organizations. Guide
この成熟度モデルは、BSIが電気通信規制庁(TRA)及び英国デジタル・ガバメントと協力して開発した。BSIが開発した新しいデジタル成熟度フレームワークは、政府組織(省庁、公的資金によるプログラムやサービスプロバイダを含む)のリーダーを鼓舞し、業務全体の効率性、透明性、全体的な有効性を向上させるために、デジタル変革の進捗を加速させることを目的としている。
デジタルトランスフォーメーションの取り組みは、大幅なコスト削減をもたらす可能性を秘めており、例えば、英国政府は、デジタルトランスフォーメーションへの投資を通じて、約10億ポンドの節約の可能性を確認、EUは、複数年にわたる「デジタルの10年」政策プログラムを開始した。イタリアでは、電子調達システムによって30億ユーロのコスト削減が実現した。デンマークでは、電子請求書によって納税者は年間1億5,000万ユーロ、企業は年間5,000万ユーロを節約しており、欧州全域で導入された場合の年間節約額は5,000億ユーロを超えると推定される。
PAS2009は、政府組織のデジタル成熟度を測定し、向上させるためのガイダンスを提供しており、政府組織がデジタル技術に関する能力を開発するために取り組むべき6つの側面が記述されている。このPASは、医療などの公共サービスがオンライン化されたCovid-19期にデジタル変革のペースが加速したこと、年金、税制、パスポート、出生・婚姻登録などの分野で政府部門によるデジタル・チャネルの利用が増加していることを踏まえて作成された。 尚、このPASは、UAEの電気通信・デジタル政府規制庁(TDRA)とのパートナーシップにより開発されており、UAEデジタル政府成熟度モデルに基づいている。
BSIの標準担当事務局長であるスコット・スティードマン氏は、次のように述べている: 「政府や国際機関は、社会のニーズに効果的に対応するためのデジタルトランスフォーメーションの役割を強調し、医療や教育などの公共サービスへのアクセスを容易にすることで個人に利益をもたらしている。このPASは、政府組織がデジタル成熟度を向上させるために、簡単にフォローできるガイダンスを提供するように設計されており、業務全体の効率性、アクセシビリティ、全体的な有効性を向上させ、すべての人にとってより良い未来への進展を加速させることができる。」