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日本提案による福祉機器及びサービスのニーズ調査のための国際標準が発行

2024/03/26

3月11日に,ISO 6273:2024(福祉用具-福祉機器及びサービスに対する感覚障害者のニーズを 調査するためのアクセシビリティ・ガイドラインと要求事項 ) が発行されました。

製造事業者は,製品の開発や既存製品に関する情報収集を行う時などに, ユーザーのニーズ調査を行うことがあります。福祉機器に関するニーズ調査の場合, 障害のある人を対象にすることがあり,この規格は,(障害の中でも)視覚や聴覚に障害のある人が支障なく, 質問に答えることができるようにするための配慮事項を規定しています。

ISO 6273は,3年前からISO/TC 173/SC 7(福祉用具-感覚機能に障害のある人のための福祉用具)で審議を行ってきました。 ISO/TC 173は,国際標準化機構(ISO)の中で福祉機器に関する規格を取り扱っている専門委員会で, SC 7は,感覚機能に障害のある人のための福祉用具に関連した規格開発を行う分科委員会です。 この規格の注目すべき点は,日本から提案した規格であるということで,規格の構想段階で, 日本国内の視覚,聴覚,言語に障害のある人に対して,調査をする際の要望等について,アンケート調査を行いました。 その結果を規格原案に盛り込み,規格の審議はスタートしました。

審議に参加した国は,日本,韓国,スペイン,ドイツの4カ国。小規模なワーキング・グループで規格原案を検討しました。 このグループには,ドイツから全盲のエキスパートが参加し,規格に障害当事者の専門的意見が取り入れられました。 当初,このエキスパートは,会議に参加予定ではありませんでしたが,私たちは,この規格開発には必要な人材だと考え, エキスパートへの参加依頼をした結果,承諾してもらうことができました。

2006年に国連が「障害者権利条約」を採択して以来,福祉機器による障害のある人への支援が広がりました。 障害のある人が使う製品を利用しやすくするために,当事者のニーズを取り入れることは合理的です。 この規格は,福祉機器ばかりではなく一般製品にも活用できるため,多くの企業の製品開発に役立つものと考えています。

◆公益財団法人 共用品推進機構 金丸淳子◆
ISO/TC 173/SC 7(福祉用具-感覚機能に障害のある人のための福祉用具)の委員会マネジャーとして, 専門委員会を運営。各国エキスパートと連携し,同分野の国際規格開発に従事

[ジュネーブ事務所]

★2024年3月11日発行!★
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