TIC Councilの政策文書~サステナビリティ保証の信頼構築に向けて
2026/06/26
以前のSQオンラインでもご紹介したが、ISOではサステナビリティ (持続可能性) 情報の妥当性確認/検証に係るISO 14019シリーズ(※1)を開発している。 このシリーズは、妥当性確認/検証機関が「サステナビリティ情報」(sustainability information)の妥当性確認/検証を実施する際の原則及び要求事項を定めるものである。ESGやCSR関連のレポートや情報開示などに活用されることを意図しており、IAASB(International Auditing and Assurance Standards Board/国際監査・保証基準審議会)の保証業務基準やIESBA(The International Ethics Standards Board for Accountants/国際会計士倫理基準審議会)の倫理規定を反映させる内容で、開発が行われている。
ISOはサステナビリティ関連に非常に力を入れており、本シリーズも普及に向け宣伝等に努めているが、そんな折、TIC Council(※2)が標記の政策文書を公表した。
TIC Councilは先月、政策文書「Building trust in sustainability assurance: the role of international standards and validation and verification bodies (サステナビリティ保証における信頼構築に向けて:国際標準および妥当性確認/検証機関の役割)」を公表し、ISO 14019シリーズをサステナビリティ保証の適切な基盤であるとし、政策立案者に向け、以下の提言をしている。
1. ISO 14019を、規制および自主的なサステナビリティ報告書の限定的/合理的保証のための適切な枠組みとして承認する
2. TIC企業を含む資格を要する妥当性確認/検証機関が保証サービスを提供できるよう公平な競争環境を確保する
3. 中小企業及びバリューチェーンに連なる事業体に対する相応な保証を支援することにより、自主的な報告やバリューチェーン開示に対する期待が、利用しやすく技術的に信頼できるものとなるようにする
欧州ではCSRD(企業サステナビリティ報告指令)に基づき、段階的に限定的保証の義務化が開始し、将来的にはより厳格な合理的保証への移行が予定され、日本を含めその他主要国でもそれぞれ動きがある中、保証サービスを担うのは誰かというのが大きな問題となっている。現時点では、財務監査法人が優位に立っているようだが、TIC Councilは自らを提言にある「資格を有する妥当性確認/検証機関」として優位性を示し、保証サービスの主導権をとりたいという狙いがあるのだろう。
ISO 14019シリーズは、前述のようにIAASBの保証業務基準やIESBAの倫理規定を反映させる内容で開発されているが、先行するIAASBに対しどこまで食い込んでいけるか、TIC Councilの動きが追い風になるのか、今後の動きが注目されるところである。
※1 ISO 14019シリーズ
ISO 14019-3 Sustainability information – Part3: Principles and requirements for validation持続可能性情報 – 第3部:妥当性確認プロセスの原則及び要求事項
※2 TIC Council
独立した試験(Testing)、検査(Inspection)、認証(Certification)組織で構成する国際的な非営利団体。世界160カ国以上で活動する100を超える企業や団体が参加し、政策立案者や国際機関に対して業界の意見を発信
詳しい情報は、TIC Councilの公式LinkedInをご覧ください:
https://www.linkedin.com/posts/tic-council_building-trust-in-sustainability-assurance-activity-7468217515320643585-O3DN?utm_source=share&utm_medium=member_desktop&rcm=ACoAAA6S17QBZCtxQ9WgaOg_-09AMMaiMqRDSzw
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