
IEC/TC 1国際会議出張報告 用語規格の作成のためのガイドの審議ほか
2025/09/26
2025年9月9日から11日にかけて、インドのニューデリーでIEC/TC 1(用語)の国際会議が開催されました。この会議には日本を含む、約20名の代表が現地とオンラインとで参加し、IEC 60050(国際電気技術用語集*)の標準化について活発な議論が交わされました。
*通称IEV、そのオンライン版はデ―ベース規格であるElectropediaといい、IECのWebサイトで公開されている。
主な審議事項
今回の会議では、IEC用語規格(IEV)の作成ルール整備と今後の進め方について集中的に議論されました。最も重要な進捗の一つとして、IEC Guide 128案(用語作成ルールに関する文書、ISO/IEC Directives Part 1 Annex SJを置き換える文書で、IEC文書のClause3の規則としても適用される予定)の改良に向けたアドホックグループの設置が決定しました。 IEC Guide 128は、IEC Guide 129(データベース規格審議手順、ISO/IEC Directives Part 1 Annex SKを置き換える文書で、現在、ACDCにて作成中)、及びIEV開発のためのプラットフォームの更新とあわせて、長年切望されていたIEVの開発ツールとして大いに期待されています。
また、IEVの重複解消に向けた新たなワーキンググループ(WG)の設置も合意されました 。IEC事務局のITチームが作成する重複頻度リストを基に、Electropedia全体で用語の統一性を確保し、効率的な解消プロセスを模索します。このWGには各TCからも参加可能となります。
その他、各作業グループの進捗が報告され、JWG 2が開発を進めているIEV 193(循環経済及び材料効率(仮称))はFDISへ、JPT 3が担当するIEV 750(システム、スマート及びデジタル)は2回目のCDVへ進めることが決まりました。
今後の予定
今回の会議で設置が決定したアドホックグループ及びWGは、今後具体的な作業を進めていくことになります。特にIEC Guide 128の作成と用語重複解消の取り組みとは、Electropediaの品質向上に大きく寄与することになります。
次回のTC 1総会は、IEC GMに併設され2026年11月にドイツのハンブルクで開催される予定です。
IEC関係者へ
今年~来年にかけて3つのIEV開発ツールが刷新されます。特にIEC Guide 129によってIEVを素案した委員会が発行まで投票権をもつなど、従来とは異なった審議手順が導入されるされる方向で議論されていると聞いております。その内容に是非ご注目いただけますと幸いです。
また、IEC Guide 129によって新しい審議手順が導入された場合でも、用語及び定義の日本語訳を、これまでと同様にIEC/TC1国内委員会で取りまとめて、オール日本としてElectropediaに掲載できるよう、各IEC国内委員会の皆様には一層のご協力をお願いいたします。

(IEC/TC 1国内委員会事務局)
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