NEWS TOPICS

会員向け情報

SQオンライン

2025年9月発行のJSAが原案作成団体として作成したJISをご紹介いたします(JIS Z8101-4,JIS Z9020-2)

2025年9月発行のJSAが原案作成団体として作成したJISをご紹介いたします(JIS Z8101-4,JIS Z9020-2)

2025/09/29

一般財団法人日本規格協会(本部:東京都港区、理事長:朝日弘)が2025年9月に発行したJISのうち、日本規格協会が原案作成団体として発行したJISを、各規格の発行に至った背景とともにご紹介いたします。

JIS Z 8101-4:2025

【制定】
統計-用語及び記号-第4部:標本調査法
Statistics-Vocabulary and symbols-Part 4: Survey sampling

■JIS Z 8101-4はなぜ制定されたのか?

 標本調査(サンプル調査)は、公的統計や民間統計の作成、市場調査や意識調査の実施のための理論的基礎です。現在、あらゆる産業界で使用されている統計に関する用語及び記号の規格として、JIS Z 8101(統計-用語及び記号)規格群が整備されているものの、標本調査の用語に関する国内の標準規格が存在しないことから、標本調査に利用されている用語や記号の定義が統一されていないことがあります。調査方法に関する説明にゆらぎが生じると、標本調査の研究と利用の両面において発展の妨げとなりかねません。このため、専門家や実務家のコミュニケーションを円滑とする観点から、標本調査の用語に関する標準規格の制定が望まれており、対応国際規格のISO3534-4:2014を基にしてJISを制定する必要がありました。

■JIS Z 8101-4の制定に期待されること

 標本調査における用語・概念・手法について統一的な定義や説明が与えられます。このことによって、分野によらず共通した用語などが用いられることになり、無用な誤解などが避けられます。さらに、国際規格と一致した国内規格が設けられることにより、標本調査に関連する事項を海外に説明しやすくなります。



JIS Z 9020-2:2025

【改正】
管理図-第2部:シューハート管理図
Control charts-Part 2: Shewhart control charts

■JIS Z 9020-2はなぜ改正されたのか?

 この規格は、統計的工程管理の手法としてシューハート管理図の使い方及び理解のための指針であり、ISO 7870-2を対応国際規格として2016年に制定しました。ISO 7870-2は2023年に管理限界線を計算するための係数を適切な値に改める等の改訂が行われ、同時並行的にJISにおいてもISOの改訂内容を先取りして2023年に改正が行われました。他方、ISO 7870-2の改訂審議の際、異常判定ルールの図示例が議論となり、最終的にはルールとして規定するものでは無くて例示という位置づけになりました。結果的に異常判定ルール等の内容について、ISO 7870-2とJISに微妙な齟齬が生じ、これを解消すべくISO 7870-2への整合を図る観点から改正を行う必要がありました。

■JIS Z 9020-2の改正に期待されること

 シューハート管理図は品質マネジメント関連の適合性評価において不可欠な手法です。ISOの内容を、対応JISにおいてより正確にかつ分かりやすく表記することは、品質マネジメントの実践の一環である工程の能力のより正しい把握と評価および改善につながります。

[日本規格協会]