ISO 9001/14001規格要求事項と審査の落とし穴からの脱出
思い込みと誤解はどこから生まれたか
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国府 保周 著
図書
2,750 円(税込)
本体価格:2,500 円
ISBN:9784542306868
発売年月日:2020-12-17
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A5判・246頁
商品コード:330686
【概要】
~QMS・EMS認証取得企業の方へ、運用での思い込み・誤解を排除する一冊!~
企業において、規格や審査だけのために仕事をするのではなく、組織の基本思想や戦略を実現し、ビジネスとして成り立ち、顧客と社会の信頼を獲得し、自信をもって仕事に打ち込むのが重要です。そのためにも、形式的、あるいは審査対応のためのQMS・EMSの運用は避けたいものです。
本書の特長は、長年、ISO内部監査やISO規格要求事項の解釈に関する研修、第三者審査を行ってきた著者の豊富な経験を通じ、受講者や受診組織の担当者から知り得た、疑問点や誤解している点、誤解しやすい点を拾い上げ、規格要求事項に沿って整理し直した点にあります。特にQMSやEMSを実施・構築・維持している組織においての、ISOマネジメントシステムの無駄のない運用に寄与することが目的です。学術的に解釈をしようというものではなく、規格を使い慣れた人や慣れ始めた人に対して、自分流の解釈をしがちな“間違いやすいポイント”に対しての実践的な解説をしています。著者のこれまでの経験から得られた直接的な現場の声が本書には取り入れられており、大変わかりやすい内容となっています。
また、用語の定義や注記については、論理的根拠を明確に示すことで、理解しやすくなっており、この点でも自分流の解釈へとつながらないように注意が払われています。
QMS・EMSを形式的なものや審査対応のためのものとするのではなく、ツールとして使いこなし、本質的な充実につなげる一助となる一冊です。《本書の特長》
▼規格要求事項の自己流の解釈をしがちなポイントに対して、実践的な解説を行い, QMS・EMSの効果的な活用につなげます。
▼著者が研修や審査で聞いた受講者や受審組織の担当者からの、直接的な現場の声を反映しています。
▼経営者の方や管理職の方,ISOマネジメントシステムの推進事務局の方はもとより,内部監査員の方にもおすすめです!【目次】
第1章 審査員と戦う法
1.1 こんな審査員に来てもらいたい!
1.2 こういう審査員はイヤだ!
1.3 審査員にきちんと説明できる理論武装
1.4 認証機関や審査員の活用
1.5 審査員との話合い
1.6 認証機関との付き合い方
第2章 品質目標・環境目標の取組みを根本から捉え直す
2.1 ISO 9001/14001 の要求事項
2.2 目標を取り巻く言葉とその意味
2.3 品質目標・環境目標の対象は何?
2.4 品質目標・環境目標に取り組む単位と形態
2.5 目標と目標値
2.6 「不良率の低減は永遠の課題」として積極的に取り組む組織の例
2.7 品質目標・環境目標…こんなテーマもアリ(経営者の立場から)
2.8 品質目標・環境目標の取組みを通じて得た組織の知識
2.9 目標活動と日常的な改善
2.10 品質目標・環境目標の取組みの中止の判断・指示
2.11 品質目標・環境目標に取り組む値打ち
2.12 環境目標について
2.13 方針との関係(方針を取り巻く言葉とその意味)
2.14 国際規格の翻訳の難しさ
第3章 リスク及び機会への取組み…ISO 9001 での立ち位置[ISO 9001]
3.1 ISO 9001 が要求していない事項
3.2 リスクが先か,機会が先か
3.3 ISO 9001 で紹介しているリスクの選択肢と機会の例
3.4 リスク及び機会を検討することが多いISO 9001 の箇条
3.5 初めて,変更,久しぶり
3.6 経営計画…組織全体で推進する積極的なリスク及び機会
3.7 実施場面ごとに異なる実施内容/手順
3.8 リスク及び機会への取組み…経営的な観点
3.9 “6.1”はマネジメントシステム計画時の要求事項
3.10 リスク及び機会への取組みの有効性の評価
3.11 リスク及び機会への取組みの要求事項に,自然体で付き合う
第4章 リスク及び機会への取組み…環境活動の指南役[ISO 14001]
4.1 “6.1 リスク及び機会への取組み”の全体構成
4.2 ISO 14001 が要求していない事項[6.1.2 環境側面]
4.3 ISO 14001 はシステム全体で取り組む予防処置[ISO 14001 全体]
4.4 ISO 14001 はマネジメントシステム規格[ISO 14001 全体]
4.5 “6.1.2”の要求事項の整理[6.1.2 環境側面]
4.6 著しい環境側面の決定の仕方①…組織の普遍的なもの[6.1.2 環境側面]
4.7 著しい環境側面の決定の仕方②…変化など状況呼応[6.1.2 環境側面]
4.8 著しい環境側面の決定の仕方③…経営・戦略面の決定[6.1.2 環境側面]
4.9 著しい環境側面の決定の仕方④…特定テーマの深掘り[6.1.2 環境側面]
4.10 著しい環境側面…利害関係者の理解と納得[6.1.2 環境側面]
4.11 適用になる法規制への対応[6.1.3 順守義務]
4.12 ISO 14001 が要求していない事項[6.1.1 一般]
4.13 ISO 14001 が要求していない事項[6.1.4 取組みの計画策定]
4.14 実施のためのストーリー[6.1.4 取組みの計画策定]
4.15 持続可能で戦略的な環境への取組み[ISO 14001 全体]
4.16 組織運営の中心課題と周辺課題[ISO 14001 全体]
4.17 環境活動の明確化に関連する用語を調べる[6.1 全体]
4.18 本章の最後に[6.1 全体]
第5章 文書化した情報とルールや手順の設定
5.1 文書化した情報の設定…ISO 9001/14001 で要求していない事項[7.5.1]
5.2 「文書化した情報」を設けることに関する規格要求事項[7.5.1]
5.3 ISO 9001 における文書化の変遷[7.5.1]
5.4 ISO 14001 における文書化の特色(ISO 9001 との比較)[7.5.1]
5.5 手順の文書化について[7.5.1, 8.1]
5.6 文書化した情報の媒体[7.5.1]
5.7 品質・環境マニュアルと文書の階層化[7.5.1]
5.8 文書類を読んでもらう/内容を理解してもらう工夫[7.5.1]
5.9 保持する記録の指定[7.5.1]
5.10 文書類と記録の管理[7.5.2, 7.5.3]
第6章 人的資源…力量・認識と要員の育成
6.1 人的資源や力量に関してISO 9001/14001 で要求していない事項
6.2 規格要求事項の変遷
6.3 力量に関連する定義と辞書での説明
6.4 必要な力量の種別ともたせ方(育成方法)
6.5 力量を有したことの評価
6.6 力量の記録の使用者の想定
6.7 組織・部門・プロジェクトとしての力量
6.8 認識のもたせ方
6.9 力量は「くせ者」の要求事項
第7章 設計・開発として認められるもの[ISO 9001]
7.1 用語「設計・開発」の定義の変遷
7.2 設計と開発…その違いは?
7.3 設計・開発は創案能力の証(顧客に何を買ってもらっているか)
7.4 2002 年のJAB ワークショップでの設計・開発に関する話題
7.5 2009 年のJAB 公開討論会での設計・開発に関する議論
7.6 ISO/TS 9002 で紹介している設計・開発の例
7.7 設計・開発として何が認められるか①…製造業
7.8 設計・開発として何が認められるか②…サービス業(建設業を含む)
7.9 「適用可能だが,適用実績がない」というケース
7.10 設計・開発を実施可能な組織としての矜持
第8章 顧客満足とビジネスの面からの活用[ISO 9001]
8.1 顧客満足に関してISO 9001 が要求していない事項
8.2 顧客とは誰か
8.3 顧客満足は情報の用途から逆算して捉える
8.4 顧客満足に関する情報の活用先の例
8.5 顧客満足の定義と要求事項
8.6 入手しようとする顧客満足を大別すると
8.7 顧客が能動的に表明するタイプの顧客満足情報の例
8.8 組織が能動的に取りにいくタイプの顧客満足情報の例
8.9 顧客と接する中から得るタイプの顧客満足情報の例
8.10 状況の推移を追いかけるタイプの顧客満足情報の例
8.11 顧客満足の監視・測定・分析・評価
8.12 品質マネジメントシステム…顧客満足を中心に据えすぎないで
8.13 顧客満足に関する各種規格での情報(参考情報集)
第9章 ライフサイクルから切り込む環境活動[ISO 14001]
9.1 ライフサイクルに関してISO 14001 が要求していない事項
9.2 ライフサイクルで考慮の対象とする製品やサービスの段階
9.3 ライフサイクル…原材料の入手までの段階
9.4 ライフサイクル…生産・輸送(外部提供者を含む)の段階
9.5 ライフサイクル…店舗販売・使用・消費と使用後の処理・廃棄の段階
9.6 ライフサイクル…最終処分・リサイクルの段階
9.7 ライフサイクル…開発の段階
9.8 ライフサイクルに関するISO 14001 での言及と関連内容
9.9 ライフサイクルからの切り込みのコーディネート
第10章 内部監査をもっと身近なものに
10.1 内部監査に関してISO 9001/14001 が要求していない事項
10.2 内部監査を実施する目的[9.2.1]
10.3 組織内に存在する実質的な内部監査機能
10.4 内部監査の実施方法の選択肢
10.5 内部監査結果のレビューと監査員へのフィードバック
10.6 品質・環境マニュアルへの記述例
10.7 大きな作戦は“内部監査プログラム”で描く[9.2.2]
10.8 内部監査の実施頻度
10.9 内部監査員の人選
10.10 内部監査員の公平性と独立性
10.11 認証機関が,年1 回しか審査しないのに認証できるのは?
10.12 内部監査の改善に向けて
第11章 マネジメントレビュー…経営に即した現実的な姿に
11.1 マネジメントレビューに関してISO 9001/14001 が要求していない事項
11.2 マネジメントレビューに関する規格要求事項
11.3 マネジメントレビューへの実施場面・形態の多様性[ISO 9001]
11.4 マネジメントレビューへのインプット情報の活用の例[ISO 9001]
11.5 マネジメントレビュー…実施形態ごとの検討対象情報の例[ISO 9001]
11.6 “年一”型のISO 9001 マネジメントレビューの価値[ISO 9001]
11.7 ISO 14001 でのマネジメントレビュー
11.8 実態を活かしたマネジメントレビュー…審査の難しさ
11.9 経営トップの思考との整合化
第12章 是正処置の実効性のさらなる向上
12.1 是正処置に関してISO 9001/14001 が要求していない事項
12.2 是正処置(と予防処置)の実施場面の多様性
12.3 “10.2”の前半は不適合への対処に関する要求事項
12.4 “10.2”の後半は是正処置に関する要求事項
12.5 不適合の原因究明の進め方
12.6 不適合の原因…一歩踏み込んだ調査
12.7 是正処置で指定した活動を継続可能とするために
12.8 是正処置の有効性をレビューするタイミング
12.9 是正処置の記録…活用面から捉えた管理方法
12.10 是正処置(と予防処置)に関する要求事項の変遷
12.11 有効性の高い是正処置とするために
第13章 概念を扱う各種要求事項の捉え方
13.1 「概念」を扱う要求事項…ISO 9001
13.2 「概念」を扱う要求事項…ISO 14001
13.3 概念を扱う要求事項に関してISO 9001/14001 が要求していない事項
13.4 「概念」を扱う要求事項の品質・環境マニュアル
13.5 「概念」を扱う要求事項の審査
13.6 内部監査でも経営者と話し合う場を
第14章 マネジメントシステムをツールとして使いこなす
14.1 しがらみと歪みが蓄積したマネジメントシステム
14.2 マネジメントシステム規格の特色を知る
14.3 組織運営の思想の再整理
14.4 マネジメントシステムを使いこなすための資源整備
14.5 組織内ルールを実態に合わせる
14.6 マネジメントシステム…経営トップのツールとなっているか
14.7 成果・効果を知り,組織内で価値を共有
14.8 社会に窓を開いて【関連書籍】
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