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日本産業規格(JIS)を制定・改正しました(2020年6月分)

2020/06/26

-ヒートポンプデシカント方式による調湿外気処理機、救急自動通報システムの障害推定アルゴリズム、システム及びソフトウェアを開発・利用する共通の枠組みなどのJISを制定・改正-

<経済産業省の記事から抜粋>

JISは、鉱工業品、データ、サービスの品質、性能や試験方法などを定めた国家規格です。JISは、社会的環境の変化に対応して、制定・改正されています。社会的に関心の高い重要な制定や改正を月に1回紹介しています。

1.今回のJIS規格制定・改正内容
今回は、13件の制定及び10件の改正を行いました。中でも、以下のJISの改正は特に重要です。

①ヒートポンプデシカント方式による調湿外気処理機に関するJISの制定
オフィスビル、小売店舗、病院、工場等の業務用空調システムに組み込まれる調湿外気処理機のうち、ヒートポンプデシカント式のものは、高効率で安定した湿度コントロールを行うことが可能であり、省エネルギー性と快適性とを高いレベルで両立できるものとして期待が寄せられています。
今般、この方式による調湿外気処理機の性能、試験方法などに関するJISを制定しました。これにより、定量的に性能の比較を行うことが可能となり、容易な製品選択、適正な競争環境を整備することができ、ひいては、新たな市場の創造と省エネルギー機器の普及に資することが期待されます。
※新市場創造型標準化制度を活用してJIS制定に至った。

②救急自動通報システム(D-Call Net)の傷害推定アルゴリズムに関するJIS制定
近年、救急医療の現場において、ドクターヘリが導入され、救命率の向上に大きく貢献しています。しかしながら、救急隊が現場到着後にその要否を判断することが一般的で、迅速にドクターヘリを急行させるという点で、課題がありました。
そこで、交通事故の事故車両に加わった衝突の方向や大きさなどからドクターヘリ出動要請を出すべきか否かを自動的に判定するための救急自動通報システム(D-Call Net)の導入が進展しており、それに用いられる傷害推定アルゴリズムの作成及び評価方法をJISとして制定しました。
このJISに基づくシステムの普及により、これまで主に救急隊員の現場到着後に行われていたドクターヘリの要請が的確、迅速かつ自動的にできるようになり、ひいては交通事故死者数を低減することが期待されます。

③システム及びソフトウエアを開発・利用する共通の枠組みを提供するJISを改正
近年、多様で大規模なシステム及びソフトウエアが増えていますが、これらの開発・利用には、受発注者間での共通認識を醸成することが必要です。これを支援するための国際規格群及びそれと整合したJIS群が存在します。そのうち文書化の項目を規定したJIS X0171が、今般、情報伝達手順や情報セキュリティ手順などの新たな情報項目を追加しました。
このJISに基づく開発や利用が進展することで、国内外の関係者間で相互理解と合意形成が一層促進され、ひいてはシステム及びソフトウエアの開発が進展することが期待されます。

本記事の詳細は経済産業省のページをご覧ください。

<出典:経済産業省のウェブサイトを加工して作成>
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200622004/20200622004.html